NotionAIに口語体と文語体のチェックをさせてみた
NotionAIを気軽に使ってみるアドベントカレンダーの21日目です。
文章を書いているうちに自然と口語表現が混ざってしまう文章の口語化。このような文章は読みやすさに欠けますが、これを適切に校正するには相当な労力が必要となります。
NotionAIを活用する際に頻繁に必要となる口語体と文語体のチェック機能について検証してみました。
口語体と文語体の定義
まずは、NotionAIがこの二つの概念について定義を持っているか確認してみましょう。
口語体と文語体の定義を教えて
口語体と文語体の主な違いについて説明します:
口語体(こうごたい)
- 日常会話で使用される話し言葉を文字で表現した文体
- 「です・ます」調や「だ・である」調などの話し言葉的な表現を使用
- くだけた表現や話し言葉特有の言い回しが含まれる
- 例:「今日は暑いですね」「これって面白いよ」
文語体(ぶんごたい)
- 主に文章用の書き言葉として使用される文体
- 「なり」「たり」などの文語特有の助動詞を使用
- 格調高く、改まった表現を用いる
- 例:「されど」「かくの如し」「まことに候」
現代では、小説や論文、ビジネス文書など、文章の種類や目的によって使い分けられています。一般的に、口語体は親しみやすく読みやすい特徴があり、文語体は格式や厳粛さを重視する場面で使用されます。
文語体の説明は、むしろ古語の特徴を示しているように見えます。
古文と文語体の違いについて教えて
古文と文語体には以下のような重要な違いがあります:
古文の特徴
- 平安時代から江戸時代までの日本語で書かれた文章
- 当時の文法や語彙を使用(助動詞「き」「けり」など)
- 時代特有の仮名遣いや表現を使用
- 例:「いづこより来たりけむ」「かくやあらむ」
文語体の特徴
- 明治時代以降に整備された書き言葉としての文体
- 現代の文法体系に基づいている
- 古めかしい表現を用いるが、現代の日本語の規則に従う
- 例:「されど」「然るべし」「~なり」
つまり、古文は歴史的な日本語そのものであるのに対し、文語体は現代の日本語の文法体系を基礎としながら、格調高い表現を用いる文体といえます。文語体は古文の影響を受けていますが、より現代に近い言語体系となっています。
古来からの日本語的表現を重視するため、自然と古文的表現になるということでしょう。
口語体と文語体のチェック
チェックとしましたが相互変換のようなものです。以下の文を用意しました。恐らくは口語体です。
私は原稿執筆が大好きです
口語体か文語体か判定して
「私は原稿執筆が大好きです」は口語体の文章です。「です」という丁寧語を使用していることから、口語的な表現になっています。文語体では「私は原稿執筆を愛好す」のような表現になります。
次に、文語体に変換してみます。変換後の文章を試しに手で書き出してみようとしましたが、全然想像できませんでした。
文語体に変換して
余は原稿執筆を愛好す
面食らいましたが、実際に文語体となるとこのような表現になるようです。現代で目にしやすい文章は基本的に口語体というべきでしょう。なお、比較的読みやすい文語の文章としてあげられている例としては福沢諭吉著の「学問のすすめ」となるようです。
あとがき
文語体の定義が曖昧だった身として、ここまで古文のようなエッセンスがでてくるのかと驚きでしたが、それ以上にNotionAIが文語体をカバーしていることにも驚きでした。ただ、現代におけるビジネス面で使えるかというと悩ましい表現であると察しさせてくれます。
なお、現代で読みやすい文語体を定期的に目にしたい場合は新聞の社説がオススメです。朝日新聞の「天声人語」、毎日新聞の「余禄」、読売新聞の「編集手帳」が該当します。